不整脈について
心臓は1日に約10万回も拍動し、血液を全身に送り出しています。必要な回数心臓が動き、かつ安定して血液を送り出すために、心臓の右上のほうに電気信号を出すところがあります(洞結節・どうけっせつ)。そこから出た電気信号が心臓全体に伝わり「今、縮め」という命令の役割を果たします。その電気信号は坂道を上ると出る回数が増えます。そのおかげで心臓が早く打つわけです。夜寝ているときには電気信号が出る回数が減ります。みなさん、夜寝ているときには脈は遅いですよね。
この電気信号が乱れている状態を「全部不整脈」と言います。乱れ方はたくさんあって、不整脈の中にたくさんの種類があることになります。
例えば、必要なときに電気信号の数が増えない場合や、電気信号の数が減りすぎるような場合は「徐脈性不整脈」と呼ばれます。逆に、心臓の中のどこかで電気信号がショートして、空回りしてしまい、不必要な電気信号が走り回って、脈が速くなる不整脈もあります。これを「頻脈性不整脈」と呼びます。
誰にでもある、放置して良い不整脈から、命に係わる可能性がある不整脈まであります。過剰に恐れる必要はありませんが、きちんと検査・診断を受けないうちから放置していてはいけません。
不整脈が出る原因が、はっきりわかる場合とわからない場合(=これと言って原因がない)があります。いろいろ調べても原因がはっきりしないものもありますが、そのような場合、たいていは(絶対ではありませんが)命に直接かかわることはありません。一方、狭心症・心筋梗塞・心臓弁膜症・心不全などがあって、心臓に負担がかかり、出てくる不整脈は命にかかわる可能性があります。
ただし、このような場合も不整脈を減らすような薬物治療をすることもありますが、最優先すべきは、もともとの心臓に負担をかける原因となった病気の治療です。
不整脈に関係する自覚症状についてですが、主に下記のようなものがあります。ただし、自覚症状がない(=自分ではなんともない)のが不整脈がないという意味ではありませんし、放置して良いということにも必ずしもなりません。これも不整脈の怖い点といえるでしょう。